リクトップ

アザミウマ類の捕食性天敵
基本データ
有 効 成 分:タイリクヒメハナカメムシ成虫 100頭/ボトル,500頭/ボトル
学 名:Orius strigicollis Poppius
性 状:淡褐色粒状
その他成分:鉱物質(石綿不検出)
包 装:100㎖(100頭入り),500㎖(500頭入り) 硬質ポリエチレンボトル
農林水産省登録 : 第21545号
特長
- 本剤は、アザミウマ類の捕食性天敵であるタイリクヒメハナカメムシをボトルに封入した捕食性昆虫製剤です。
- アザミウマ類以外にもダニ類、アブラムシ類等を捕食し、植物花粉も摂食します。アザミウマ類の発生がなくても、これらの餌が施設圃場内に存在すれば、本製品天敵を放飼し定着させることができます。
- タイリクヒメハナカメムシの定着と生育に最適な環境を整え、アザミウマ類の発生初期に本剤を使用すると長期間に渡りその発生を抑制します。
- 捕食性天敵なので、害虫の薬剤抵抗性の発達の有無に全く関係なく、効果があります。
- 放飼方法が簡便であり、労力の削減につながります。
- 使用回数に制限がなく、農薬の使用回数にカウントされませんので、特別栽培などに最適です。
タイリクヒメハナカメムシについて
捕食範囲:アザミウマ類、アブラムシ類、ダニ類や花粉等
成虫の大きさ:約1.7~2.1mm
活動最適温度:25~30℃
発育限界温度:11~12℃以下
卵~成虫までの日数:雌…20℃で29日、25℃で16日
生存日数:25℃…14~30日
総産卵数:25℃…77.4卵
成虫の捕食数:1日当りアザミウマ成虫を約10頭
重要な特長:比較的高温で繁殖力が強い天敵です。
適用病害虫の範囲及び使用方法
作物名 | 適用 病害虫名 |
使用量 (10a) |
使用時期 | 使用回数 | 使用方法 | タイリクヒメハナカメムシを含む農薬の総使用回数 |
---|---|---|---|---|---|---|
野菜類 (施設栽培) |
アザミウマ類 | 1000~3000頭 | 発生初期 | _ | 放飼 | _ |
放飼方法
*放飼を行う前の注意点
- 殺虫剤及び一部の殺菌剤には、本製品天敵に強く影響があるものがありますので、放飼を行う前に本天敵への影響日数等確認を行って下さい(参考資料参照)。
- 本製品天敵の成虫に影響がなくても、次世代の産卵数が減少する殺虫剤がありますので、確認して下さい。
- 既にアザミウマ類が発生している場合は、タイリクヒメハナカメムシに影響の少ない殺虫剤を処理してから導入して下さい。
*放飼を行う際は
- ボトルの蓋を開き、内容物を作物上に落としていく感覚で放飼して下さい。一度内容物をボトルのキャップに移し、キャップから作物上に散布すると放飼が行いやすいです。
- タイリクヒメハナカメムシの産卵植物である「ニジノタマ」や、餌である「ガ・ラン」を利用すると、本製品天敵の圃場への定着率が高まります。また、これら資材を利用する卵放飼法の活用もお勧めします。
導入のタイミング
- 作物上でアザミウマ類を確認、またはアザミウマ類の食害痕を確認した時放飼して下さい。
使用上の注意
- 本剤はアザミウマ類を捕食する天敵タイリクヒメハナカメムシを封入した製剤です。
- タイリクヒメハナカメムシの生存日数は短いので、入手後直ちに使用し、使い切って下さい。
- 放飼にあたっては、緩衝剤ごと葉上に静置して下さい。なお、容器でタイリクヒメハナカメムシが偏在していることがあるので、使用の際には容器を軽くたたいて緩衝剤と均一に混在させて下さい。
- できるだけ均一に放飼することが原則ですが、アザミウマ類の発生に偏りがある場合は、密度の高いところに重点的に放飼を行って下さい。
- アザミウマ類の生息密度が高くなってからの放飼では十分な効果が得られないことがあるので、低密度で散見された時点で最初の放飼をして下さい。
- アザミウマ類の発生初期より1週間間隔で、タイリクヒメハナカメムシの定着が確認されるまで数回放飼して下さい。
- 本剤の使用中は、日中の施設内の平均室温を25〜30℃に保って下さい。
- タイリクヒメハナカメムシ成虫は冬期の休眠は少ないとされているが、厳冬期での捕食活動は低下するので、放飼は春期から初冬期までに行って下さい。
- タイリクヒメハナカメムシの活動に影響を及ぼす恐れがあるので、本剤の放飼前後の薬剤散布は避けて下さい。
- 本剤の使用に当たっては、使用量、使用時期、使用方法を誤らないように注意し、特に初めて使用する場合は病害虫防除所等関係機関の指導を受けて下さい。
- 容器、空袋等は圃場などに放置せず、環境に影響のないよう適切に処理して下さい。
保存・保管上の注意
- 本剤は天敵生物であり、容器内での生存日数が短いので、入手後直ちに使用し、保存しないで下さい。