ボトキラー®水和剤

野菜類の灰色かび病、うどんこ病予防に幅広く使える。
基本データ
ボトキラー®水和剤は、自然界に存在する細菌「バチルス ズブチリス」を有効成分とする、野菜類、ぶどうおよび花卉類の灰色かび病、野菜類のうどんこ病の予防薬です。散布、常温煙霧、ダクト内投入(岐阜県と共同特許取得)といった多彩な使用方法があり、幅広くお使いいただけます。
有 効 成 分:バチルス ズブチリス芽胞 1×1011cfu/g
性 状:類白色水和性粉末
その他成分:鉱物質微粉、界面活性剤等
包 装:100g×50袋/ケース、500g×10袋/ケース
農林水産省登録:第20080号
農薬の種類 :バチルス ズブチリス水和剤
特長
- 本剤は、自然界から分離した安全性の高い有用細菌(バチルス ズブチリス:枯草菌、納豆菌の仲間)を有効成分とする微生物防除剤です。
- 野菜類・花き類の灰色かび病、うどんこ病のほか、ぶどう、かんきつ、マンゴーの灰色かび病、なしの黒星病、稲のいもち病に対し予防効果を発揮します。
- マルハナバチ、ミツバチ、天敵昆虫に影響が少ない剤です。
- 発病前に散布することで、本剤の有効成分が作物体上に病原菌より先に住み着き、生息場所と栄養分を先に占有することで、後から来る病原菌の感染を予防します。
- 薬剤耐性菌に対しても同様の予防効果があります。化学殺菌剤と体系を組み散布することで、薬剤耐性菌の発達を抑えることができます。
- 使用回数に制限がなく、農薬成分としてカウントされませんので、特別栽培などに適しています。
- 常温で長期間の保存(有効年限3年)が可能です。
- 暖房機のダクトの風を利用し、本剤を粉体のまま散布する「ダクト内投入」が可能な国内で唯一の微生物防除剤です。水を使わないことで湿度が上昇しにくく、散布も極めて省力的に行えます。
- 更に「ダクト内投入」は、自動投入機の「きつつき君®」や専用散布機を併せて使用すると、大幅な労力削減につながります。
適用病害虫の範囲及び使用方法
通常散布
作物名 | 適用病害虫名 | 希釈倍数 | 使用液量(10a) | 使用時期 | 使用回数 | 使用方法 | バチルスズブチリスを含む農薬の総使用回数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
野菜類 | 灰色かび病 うどんこ病 |
1000倍 | 150〜300l | 発病前~発病初期 | _ | 散布 | _ |
ぶどう | 灰色かび病 | 200~700l | |||||
かんきつ マンゴー |
開花期~幼果期 | ||||||
なし | 黒星病 | 発病前~発病初期 | |||||
稲 | いもち病 | 200~300l | 穂ばらみ期~刈取前 |
常温煙霧
作物名 | 適用病害虫名 | 希釈倍数 | 使用液量(10a) | 使用時期 | 使用回数 | 使用方法 | バチルスズブチリスを含む農薬の総使用回数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
野菜類 | 灰色かび病 | 300g | 6~10l | 発病前~発病初期 | _ | 常温煙霧 | _ |
ダクト内投入
作物名 | 適用病害虫名 | 希釈倍数(10a) | 使用時期 | 使用回数 | 使用方法 | バチルスズブチリスを含む農薬の総使用回数 |
---|---|---|---|---|---|---|
野菜類 | うどんこ病 | 15g/日 | 発病前~発病初期 | _ | ダクト内投入 | _ |
灰色かび病 | 10~15g/日 | |||||
マンゴー | 10g/日 | |||||
かんきつ ぶどう |
10g/日 | |||||
花き類・ 観葉植物 | 15g/日 |
ダクト内投入
1日10〜15gの本剤を水に希釈せず粉体のまま、暖房機の送風用ダクトの風を利用してハウス内全体に飛散・循環させる使用方法です。毎日継続してダクト内投入を行うことで、本剤の有効成分であるバチルス菌を圃場全体にムラなく、隅々まで定着させることができます。
「ダクト内投入」は岐阜県・出光興産(株)との共同開発技術(特許3986726)です。
*ダクト内投入の特徴
- 防除のタイミングを逃さず、安定した発病予防効果を発揮します。
- 水を使用しない散布方法なので、ハウス内の湿度が上昇しません。
- 散布を毎日継続することにより、灰色かび病が出にくいハウス環境へと改善・維持していきます。
- 投入(散布)方法が簡便であり、動力噴霧器などを使用する散布と比べ、非常に作業が楽です。
- 水を使わないため、天敵に対しても影響が少なく、天敵生物を導入する際の病害対策として、非常に優れた方法です。
- 親ダクトに投入口を開けて下さい(暖房機から1〜2m)。
- 投入口は親ダクト全てに開けて下さい。
- 1日あたり10〜15g/10aを投入して下さい(投入量は登録内容により異なります)。
- 投入口が複数ある場合には、投入量合計が10〜15g/10aとなるように分けて投入して下さい。
- 投入にはボトルやスプーンを用いる方法があります。
- 自動投入機「きつつき君®」を使用すると、自動投入が可能です(「きつつき君®」設置についてはこちら)。
- 毎日の散布が重要です。
- 1日当たりの送風回数を多くするほど効果が高まります。
- 本剤の使用開始時点で発病が確認される場合には、化学農薬等で治療してからダクト散布を開始して下さい。
- 散布は、発病前の早い時期から、夜間に行った方が良いです。
- 発病してしまうと効果がありませんので、病原菌が感染した果実・葉・茎などは早めの除去を心がけて下さい。
- 温度が高いほど効果が高く、最高気温が15℃以上での使用をお勧めします。
- ダクトは主ダクトと枝ダクトを、できれば各畝に配置して下さい。
- 子ダクトの吐出口は上向きに直径3〜5cmにあけて下さい。風が強すぎる場合は、さらに大きな穴をあけても大丈夫です。
- 吐出口の風速は8〜10m/sを確保して下さい。
- 春先、気温が上がり暖房機が稼動しなくなっても、手動で送風・投入を継続することで効果を持続させることができます。
- 雨よけ栽培でも散布は行えます。
- 本剤の有効成分は生菌であるので、散布液調製後はできるだけ速やかに散布して下さい。また、開封後は密封して保管し、できるだけ早く使い切って下さい。
- 本剤は保護作用が強く予防効果が主体なので、散布処理を行う場合には発病前〜発病初期に7〜10日間隔で散布して下さい。なお、生育の早い作物に使用する場合には、散布頻度を高めて下さい。
- 低温条件下(10℃以下)では効果が劣りますので、使用を避けて下さい。
- 本剤は他剤と混用すると十分に効果が発揮されない場合がありますので、注意して下さい。
- 散布量は対象作物の生育段階、栽培形態及び散布方法に合わせて調節して下さい。
- 本剤の使用により葉及び果実などに汚れが生ずる恐れがありますので、収穫期の使用には気をつけて下さい。
- 常温煙霧用として使用する場合は、下記の注意を守って下さい。
1.専用の常温煙霧機により所定の方法で煙霧して下さい。
2.作業は密閉できる環境で行い、作業終了後6時間以上密閉して下さい。 - ダクト内へ投入する場合は、下記の点に留意して下さい。
1.1ヶ月当たり300〜450g/10aになるよう、暖房機などのダクト取り付け口付近からダクト内に投入して下さい。
2.暖房機などが数時間以上運転される条件下で使用して下さい。 - 稲のいもち病を対象とする場合、穂ばらみ期に散布した後、7〜10日間隔で計2回以上散布して下さい。
- 稲のいもち病を対象に使用する場合、出穂直後4日以内に散布した後、7日間隔で計2回以上散布して下さい。
- 本剤の使用に当っては使用量、使用時期、使用方法を誤らないように注意し、特に初めて使用する場合は、病害虫防除所等の指導を受けて下さい。
- 適用作物群に属する作物又はその新品種に本剤を初めて使用する場合は、使用者の責任において事前に薬害の有無を十分確認してから使用して下さい。なお、病害虫防除所等の指導を受けて下さい。
- 使用の際は農薬用マスク、手袋、保護メガネ、不浸透性防除衣などを着用するとともに保護クリームを使用して下さい。作業後は直ちに身体を洗い流し、うがいをするとともに衣服を交換して下さい。
- 作業時に着用していた衣服等は、他のものとは分けて洗濯して下さい。
- かぶれやすい体質の人は作業に従事しないように、施用した作物等との接触を避けて下さい。
- 夏期高温時の使用を避けて下さい。
- 常温煙霧中およびダクトによる散布中は、ハウス内へ入らないで下さい。また、常温煙霧およびダクトによる散布終了後はハウスを開放し、十分換気した後に入室して下さい。
- ダクトによる散布の際は、送風停止中に本剤をダクト内に投入して下さい。
- ダクトにより散布後にハウス内で作業する際は、送風機を作動させないで下さい。
- 直射日光を避け、食品と区別して、なるべく低温で乾燥した場所に密封して保管して下さい。
ダクト内投入方法
*投入場所
*投入方法
*実施手順
1.ハウス内の作業終了後、暖房機が停止していることを確認して下さい。
2.投入するボトキラー水和剤を予め秤量して下さい。
3.ボトキラー水和剤を投入後、暖房機のスイッチを入れて下さい。毎日最低2時間以上は送風させて下さい。
4.翌朝、入室する際は、天窓を開けるなど、ハウス内を十分換気してから入室して下さい。
5.投入は毎日実施し、数ヶ月間(暖房期間中)継続して下さい。