タフブロック™

水稲種子消毒用の生物殺菌剤
基本データ
タフブロックは栃木県農業試験場がいちご圃場から分離した糸状菌タラロマイセス フラバス菌を含む水稲種子消毒用の微生物防除剤です。育苗場面で発生する多くの病害に高い予防効果を示します。農薬成分にカウントされませんので、特別栽培などに最適です。
有 効 成 分:タラロマイセス フラバス SAY-Y-94-01株胞子 1×108cfu/g
性 状:類白色水和性粉末
その他成分:界面活性剤、鉱物質微粉、有機質微粉
包 装:100g×20袋/ケース、500g×10袋/ケース
農林水産省登録:第21920号
農薬の種類:タラロマイセス フラバス水和剤
特長
- 本剤は、栃木県農業試験場がいちご圃場から分離した有用糸状菌(タラロマイセス フラバス)を有効成分とする、微生物防除剤です。
- 稲のばか苗病、いもち病、もみ枯細菌病、苗立枯細菌病、褐条病および苗立枯病(リゾープス菌、フザリウム菌、トリコデルマ菌)に高い予防効果を示します。
- 本剤の有用糸状菌がもみ表面に付着、増殖し、病原菌の増殖・侵入を防ぎます。生育した苗の基部のもみ殻表面には黄色いコロニーが確認できます。
- イネをはじめ、作物に対する寄生性、病原性がなく、苗の生育に悪い影響を与えません。
- 育苗時に低温などに遭遇しても効果の変動が生じにくく、苗の生育に対しても悪い影響を与えません。
- 薬剤耐性菌に対しても同様の予防効果があります。
- 温湯消毒法との組合わせにより、安定した防除効果が期待できます。
- 製剤は水に分散しやすい水和剤で、室温での保管が可能です。
- 人畜に対する高い安全性はもとより、鳥類、昆虫、水生生物、植物、土壌微生物などに対して影響が認められておらず、環境にやさしい微生物防除剤です。また、本菌は土壌中では、自然界に存在するレベルまで速やかに減衰します。
- きのこ類(しいたけ、エリンギなど)に対する影響は認められていません。
適用病害虫の範囲及び使用方法
作物名 | 適用病害虫名 | 希釈倍数 | 使用時期 | 使用回数 | 使用方法 | タラロマイセスフラバスを含む農薬の総使用回数 |
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稲 | 褐条病 ばか苗病 いもち病 苗立枯細菌病 もみ枯細菌病 |
200倍 | 催芽時 | _ | 24時間種子浸漬 | _ |
ばか苗病 いもち病 苗立枯細菌病 もみ枯細菌病 |
催芽前 | 24~48時間種子浸漬 | ||||
種子重量の2~4% | 浸種前 | 湿粉衣 | ||||
苗立枯病 (フザリウム菌) 200倍 苗立枯病 (リゾープス菌) 苗立枯病 (トリコデルマ菌) |
200倍 | 催芽時 | 24時間種子浸漬 | |||
浸種前 | 24~48時間種子浸漬 | |||||
種子重量の4% | 浸種前 | 湿粉衣 | ||||
ばか苗病 いもち病 苗立枯細菌病 もみ枯細菌病 |
20倍 | 浸種前~催芽前 | 1時間種子浸漬 | |||
苗立枯病 (フザリウム菌) 苗立枯病 (リゾープス菌) 苗立枯病 (トリコデルマ菌) |
浸種前 | |||||
稲 (箱育苗) |
苗立枯病(リゾープス菌) | 200倍 | は種時覆土前 | 育苗箱(30x60x3cm、 使用土壌約50)1箱当り希釈液200mlを土壌灌注する。 |
使用方法
【浸漬催芽を行う場合】
【蒸気催芽または播種後催芽・出芽を行う場合】
*浸種前〜催芽前1時間種子浸漬の場合
- 本剤を水量に対して20倍希釈して下さい。
- 調整した液を十分に撹拌後、種もみを投入し、よくゆすって下さい。
*湿粉衣の場合
- 湿らせた種もみに対して、2~4%粉衣(浸種前)し、よく混和して下さい。
- その後は慣行法に準じて栽培して下さい。
- 陰干しなどの乾燥は問題ありません(天日による乾燥は実施しないで下さい)。
使用上の注意
- 本剤の有効成分は生菌であるので、薬液調製後はできるだけ速やかに使用して下さい。また、開封後は密封して保管し、できるだけ早く使い切って下さい。
- 種籾と処理薬液の容量比は1:1以上とし、種籾は目の粗い網袋などを用い、薬液処理時によくゆすって下さい。
- 本剤は他剤と混用すると十分に効果が発揮されない場合があるので注意して下さい。
- 処理後の種籾乾燥の際は、直射日光や極端な高温を避けて下さい。
- 本剤の使用に当たっては、使用量、使用時期、使用方法などを誤らないように注意し、特に初めて使用する場合には病害虫防除所等の関係機関の指導を受けて下さい。
安全使用上の注意
- 本剤は眼に対して刺激性がありますので、眼に入らないよう注意して下さい。眼に入った場合には直ちに水洗し、眼科医の手当てを受けて下さい。
- 使用の際は農薬用マスク、不浸透性手袋、不浸透性防除衣などを着用するとともに保護クリームを使用して下さい。作業後は直ちに身体を洗い流し、洗眼・うがいをするとともに衣服を交換して下さい。
- 作業時に着用していた衣服等は、他のものとは分けて洗濯して下さい。
- かぶれやすい体質の人は作業に従事しないように、施用した作物等との接触を避けて下さい。
- 夏期高温時の使用を避けて下さい。
保存・保管上の注意
- 直射日光を避け、食品と区別して、なるべく低温で乾燥した場所に密封して保管して下さい。